peony2020のブログ

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居心地の悪い家

今週のお題「怖い話」

 

久しぶりに開いた「はてなブログ」。

いつか書いてみたいと思っていたことがお題になっていたので早速。

 

それは、霊がいた家に住んでいたこと。

といっても私が霊を見たわけではなく感じていた話。

 

7年半前。

結婚を機に歴史ある街並みを残す、ある市に引っ越した。

引っ越し先はやや古いアパートだが部屋の中は綺麗で日も良く当たる。

インテリアや食器に関する仕事をしていた私は

新生活のためそういったものを選ぶことが楽しかった。

なにより大好きな人と暮らすせることが嬉しかった。

 

けれど新居から職場までが遠くなった。通えない距離ではないけれど

そこまでして通いたくない気持ちがどこかにあったので退職した。

夫は帰りが遅く、当時の休みはほぼ週1。

新しく住んだ土地に知り合いはいなかったので

人とあまり会わない、話さない生活に変わる。

 

引っ越してから約半年後に挙げる結婚式のため

平日はその準備で都内へ出たり、そのついでに泊まりで

ちょくちょく実家へ帰ったりしていた。

人と会わない淋しさは式の準備で紛れていたが

式が終わり、出かける用が少なくなるとまた淋しくなった。

かといって実家へやたらと帰ると親に心配されるので

たまーに友人や後輩が遊びに来てくれる日以外は

最寄り駅にあるファッションビルをブラブラしていた。

 

私は家にいるのが好きで2、3日は外に出なくても平気だったが

引っ越した家はなんとなく居たくない気持ちになってくるので

1度で済むような買い物も2度に分けて行ったりしていた。

最寄り駅まで片道徒歩13分と微妙に遠い距離だったので

面倒くさがりの私にしてはちょっと変だなと感じていた。

 

 

ある日、夫を送り出したあと2度寝していたことがあった。

寝室の入口から誰かにじっと見られているような視線を感じた。

夫が帰ってきて2度寝している私をうらやましく見ているのかと思って

慌てて起き上がったが誰もいない。

 

またある日は、車で出かけた帰りに見える自宅の窓から

誰かがこちらを見ているような気がしたり。

 

「なんだか怖い」と思う日が、時々だけど確実にあった。

 

2年間だけしていた1人暮らしのときも怖くなるときがあったけれど

そういうときは自分からふと怖いことを思い出したりしてそうなるのに

今回はちょっと違う。

けど怖いから気にしないようにしていた。

 

そのうちに近場で仕事を始めた。

出勤2日目で人生初めてのインフルエンザに罹り欠勤する。

2日目で休むなんて職場からの信頼が怪しくなるし

家に居たくないのに一歩も出られないしでしんどかった。

  

そんなある日、夫と大喧嘩をする。

私は怒りで震えた。

怒りに任せて大声を出し、夫のことを叩いた。

あんなに怒り狂ったのは初めてで、怒りながらも

誰かが乗り移ったみたいに怒ってる。と頭のどこかで思った。

 

大喧嘩をきっかけにして、ちょっとしたことで喧嘩するようになってしまった。

夫が休みの日は一緒に出かけるのだが、出先では仲良く過ごすのに

家に帰ってくると喧嘩が始まる。

「家に帰ってくると喧嘩になるよね」と夫がこぼす。

休みの度にそんな感じで夫も私も疲れていた。

 

 思っていた新生活との違いに悩んでいた。

そんな頃、地元の友人と集まった。

その中のひとりが「離婚を考えていたがある人に相談したおかげで留まった」

と話始めた。

ある人とはスピリチュアル能力がある女性。凄い能力があるらしい。

一緒にいた他の友人は「えー?本当?」と疑っていたが

私は藁にもすがる思いでその人の連絡先を聞いた。

 

スピリチュアル能力がある人(アラフィフ、美人)が

我が家に来て夫や私のことなど、あれこれ視てくれた。

彼女自身が「スピリチュアル」と名乗っていたので

スピさんと呼ぶことにするが霊能者という

言い回しの方がしっくりくるかんじ。

 

人に全てを話したことで私はスッキリした。

スッキリしたあとは歴史あるこの街のことや神社の話などで

盛り上がり、後日飲みましょう!ということになった。

 

しばらくして夫が年に1度あるかないかの夜出勤という日が

訪れたのでスピさんと新宿で飲むことにした。

始めのうちは夫との関係が良くなってきたことなんかを話していた。

次第にスピさんの体験した霊とかの話になり

「そういえばあなたの家もけっこうヤバかったわね」と

言うものだからびっくりしてしまった。

家に来たときはそんなこと一言も言っていなかったから。

私の顔を見てスピさんは

「あなたの部屋は大丈夫なようにしておいたから」と言う。

 

スピさんによると、私が住んでいた建物全体ひいては

あの辺りがよくなかったらしい。

昔、そこで殺された人がいてその霊がまだいる、とのこと。

100年以上前で着物を着ている時代、とも言っていた。

 

私が住んでいた建物と隣の建物、その間にある駐車場は

昔ひとつの敷地で大きな屋敷があったのだろうと分かる造りだったので

「着物を着ている時代」というのが簡単にイメージできて鳥肌が立った。

ただ家の裏側に回らないとわからないことなので

スピさんが来たときはそこまで見ていない。

 

すでにいま住んでいるマンションへの引っ越しが

決まっていたが引き渡しまでは2か月弱ある。

その間、霊のいる家に住むとなると怖くて

それ以上は詳しく聞けなかった。

 

まず今夜をどうしよう。

夫が帰ってこないあの家に帰れない…と思った。

つい最近、実家に泊まったばかりなのでまた帰ったら何か言われそうだし。

かといって、この時間から泊めてと友人には頼みにくい。

深夜に夫と喧嘩して一緒に居たくなかったときに行った

漫画喫茶ではイヤな思いをしたばかりだし…

悩んだがスピさんの「大丈夫」を信じて結局私は自分の家に帰ることにした。

酔っていなければ帰れなかったと思う。

 

終電間近。遅い時間に見た建物は暗くて重々しく感じられた。

部屋は大丈夫ということは、そこまでの階段とか廊下とか

そもそもあの一帯はまだ大丈夫ではない。

酔っ払っていた私はそのことにやっと気が付いてダッシュで部屋に入った。

すぐにテレビを付け、スピさんから聞いた話とは違うことを思い出し

テレビと電気はつけっぱなしで眠りについた。

 

私に霊感はないと思っていたけれど、あの家の居心地の悪さは

何か感じ取っていたのだろう。

 

日当たりが良いのに買ってきた植木鉢がすぐに枯れたり、

人生初のインフルにかかったり、夏は急性胃腸炎になったり、

お気に入りの自転車を盗まれたり。

乗っていた電車が人身事故に合ったり。

けっこう平和に暮らしていたが私があの家に住んでから

ちょこちょこネガティブなことが起こり、家では夫と喧嘩になる。

そしてあの家の居心地の悪さ。

スピさんの話を聞いて納得がいった。

そしてそういう出来事の全てを「霊」のせいにしていた。 

 

いまの家に引っ越してから6年目。私自身けっこう平和である。

もちろん見られている感じは全くしない。

いろいろ「霊」のせいにしていたが自分自身にも原因はあるよね

と思うようになった。